2003年度 TDAテキスタイルスクール東京
「テキスタイル素材編 2」

天然素材の未来 綿 麻 紙 日時 2003年7月19日 場所 日本教育会館  今回は天然素材の未来という事で綿 麻 紙に携わる3名の講師をお招きしました。とても暑い中、予定を上回る参加者があり窮屈な中での受講になりました。

天然素材の未来 綿 講師 柳原美紗子 
日本綿業振興会東京事務所長

サブタイトルはコットン、このここちよさほかにない。コットンについて、太陽エネルギーを活用して繊維を作る、リサイクルが容易など綿花生産の特徴を説明。コットンの種類。綿花の繊維長による分類の説明。綿繊維の構造、組成としてのコットンの科学。肌触り、通気性、洗濯性などのコットンの特徴。紡績、織物、織物と編物、染色と仕上げ加工の説明。コットンの付加価値製品、シルケット加工、コンパクトスピンなどの風合いを持たせた加工、形態安定加工、ストレッチ性と機能を持たせた加工、抗菌防臭、防ダニなどの健康な生活を守る加工、マイナスイオン、1/fゆらぎ理論などの人にやさしい加工とさまざまな製品の説明がありました。

柳原美紗子 講師

天然素材の未来 麻 講師 石井裕 
トスコ(株)技術部長 (株)トスコ中央研究所代表
 

サブタイトルは麻の未来・古くて新しい麻について。紀元前10世紀にすでにエジプトで栽培されていたなどの麻の歴史。ラミー、リネン、ヘンプ、ジュートなど麻の種類の説明。麻をモチーフにした家紋の説明。麻という字の成り立ちをめぐるお話の説明。原料の特性を活かした差別化素材の開発、ラミーの改質、非繊維分野と麻の特徴を活かした開発商品の紹介。ホルマリンフリー、優れた防シワ性、優れた洗濯耐久性、多彩な風合いが得られるなどの特徴をもつ風麻加工の説明。セルロースパウダーの説明と未来に向けての麻創りの開発のお話を聞く事ができました。

石井裕 講師

天然素材の未来 紙 講師 土肥学 
王子ファイバー(株)常務取締役
 

サブタイトルは紙糸の先端技術と市場の可能性。かなり古くから各地で生産されていたという抄繊糸・紙糸織物の近代史。世界においての日本のファイバー生産事業の現状説明。紙糸・抄繊糸織物事業が発展し得なかった主な要因。第三の原糸製造法としての抄繊糸の製造特性の本質。抄繊糸の素材面及び、環境面の基本特性。マニラ麻の説明。抄繊糸織物の製造フローチャート。抄繊糸規格決定の5つの要素。抄繊糸OJO+テープでの繊維性能表。抄繊糸OJO+工業化と成分解繊維の将来性の説明をたくさんの紙糸を持ってきてもらい、さわりながら聞くことができました。

 

土肥学 講師

私たちがなれ親しんでいる、綿、麻、そして知ってはいるが親しんでいない紙糸と3タイプの天然素材のお話を半日で聞く事ができました。それぞれが時代に合わせ変化し、特に近年の環境の保全に対する取り組みに努力していることが未来に向けての素材のあり方の一つであるということを学びました。

レポート  豊方康人