2003年度TDAテキスタイルスクール
基礎講座 第1回「現代の素材」
日時:2003年6月14日(土)
場所:化繊会館(大阪本町)
今回は「現代の素材」をテーマに、26名のメンバーを集めて開催されました。講師は協会お馴染みの鈴木・寺井・山内の3名で、当初の内容を修正して、リードとしての「素材の基本的知識」、中核となる素材編「最新の繊維素材とテキスタイル」の2つの講義と実際の素材サンプルを手にとっての説明タイムの3つのパートに分かれたスクールになりました。
素材の基本的知識 講師:鈴木洋行・寺井洋介・山内 誠 「素材の基本的知識」は、リードとして約30分間の「素材って何なの?」を確認する内容。衣服における素材の果たすべき役割や機能を、?衣服としての3次元的構造を形成する「造形性」、?情報面から見たメディア・クロスとしての素材の性格である「情報性」、?生理的・心理的な機能である「快適性」、?テキスタイルデザインとしての重要な、感性表現としての「審美性」、?新しいことに価値を見いだす「ファッション性」にまとめて説明する試みでした。異論のある方はぜひ議論をさせていただくようお願いします。この顔を見かけたらお声をかけて下さい。 |
鈴木講師 |
|
次が本番と言うべき「最新の繊維素材とテキスタイル」で、パワーポイントのビジュアル性を発揮した優れモノ講座。先ずは鈴木講師の天然繊維から説明がスタート。日本では商業生産されていない綿花の発芽やコットンボールへの開花シーン。また、業界がこぞって開発を進めている新しい植物繊維の話しなどは、テキスタイルに従事する人材なら、誰もがためになる知識ですし、仕事を進める上での強い味方となる内容です。世界の繊維生産量からみると、綿と綿に特徴を求めたポリエステルの2素材で2/3を占めているそうです。ご存じでしたか。 | 寺井講師 |
|
続いて、寺井講師が引き継いで合成繊維の話しへと移ります。電子顕微鏡写真に映し出されたミクロの映像が、合繊の形態・構造とテキスタイルの特徴や機能との関係を判りやすく語っていました。機能素材の歴史に絡ませて、当時の漫画や映画、雑誌の類の紹介に懐かしい思いをチラリと感じたり、さらに、テキスタイルとしての商品価値への言及や、テキスタイルにおけるクリエーションの奨励に至る一連の説明内容は、天然繊維・合成繊維とテキスタイルの広い分野が上手に融合されていて、昨年の同じスクールの説明からさらに進化した印象がありました。 | 山内講師 |
|
その後、最新の素材サンプルを全員で囲んでのお触り大会(表現が下品で申し訳有りません)。さりげなくカポックの実なんかを手に乗せつつ、合繊のファッション素材の風合いを確かめたり・・・。目の前に拡げられた様々な植物繊維のワタや和紙素材、それらの混紡素材などなど。合繊の機能素材や新しい生分解性繊維素材などは、機能や特徴に納得しながら触感を確かめられました。 | ||
このような素材にふれる機会をお求めの方は、第2期の集中講座や第4期のプロ講座の素材講座においで下さい。損はさせませんので・・・。 |