(3)8/22サンガ岩手
吉田律子さんは、人々が大震災で想像を絶する被害を受け、絶望的な悲痛な叫びの中、バラバラに仮設で暮らす人達を針仕事や編み物など手仕事を共にすることで、心をつなぎ共に生き抜こうと考え、つくられたのがサンガ岩手です。
今年の7月1日からは、大槌町の国道沿いで、まだ周りは被災の跡も生々しい所に建っている建物の1階で「手作りカフェ」をオープンされました。カフェスペースと、支援で贈られたミシン5台に布や糸等の材料がある手作り工房と、ここに集まる人が制作した物を販売するショップがあります。
みんなが集まれる拠点となる場所ができたことは、大きな意味があり、遠いところからバスに乗りここに来ることを楽しみに皆さんが通っておられます。
各々が悲しい辛い思いを持ち、不自由な生活環境にもめげずこの場で、手作りプロジェクトを介して人と繋がり、ひと時のやすらぎを得ているようです。手作りカフェの責任者の川原畑さんは、手作りカフェに積極的に関わり、将来を見据えて何かをしたいとエネルギーいっぱいの、頼りになる存在です。吉田律子さんの広報力と実行力が素晴らしく、この拠点を開設できた原動力です。
サンガ岩手は視察先では一番時間をさいてミーティングしたところです。
【ミーティングの記録 10:00-14:30】
参加者:吉田律子、川原畑、手づくリプロジェクトのメンバー7名
山崎輝樹(岩手湾岸地区障害者を支援する会のメンバー)
齋藤洋、寺元健二,澤畑明見、田島信二、橋田智子
木下幸子、奈良平宣子
1、現状
*支援の素材について
支援で来た素材は様々であり、必ずしも希望に添う物ばかりではない。
素材の質の良い物、目的に見合った物が欲しい
副素材(ファスナー、リボン、金具、ボタンなど)がない。地元では素材が無く盛岡まで買いに行く
* アイデアの参考書や作り方の本が欲しい。
* 手作り品の値段 2,000円以上の物は売れない。
持ってこられた手編みの帽子の値段¥300
* 制作完成品のサンプルが欲しい
* ポリエステルニットのジャージの生地が大量にあり、制作する物のアイデアがほしい
* 今制作中のエプロンのデザインにアドバイスが欲しい
* それぞれの制作物の改善点を求められる
* 参加者の年齢層が高いので、若い感性を生かすためにも地元の高校生を巻き込むとよい。
2、今後
手作りを楽しんでいる人を尊重しつつも、サンガ岩手として特色のある製品の企画が必要である
新たな提案としての話し合い
* 地域ごとの特色のある製品の企画をしなければならない ブランド化
* 地域にある植物を使った草木染め(渋柿 あかざ 桑 栗 クルミ 雲丹など)
* 四季に植物を採取して記録、染めのデータ化
* この地域で仏事に使われているネコヤナギの芯、副産物の表皮を繊維素材として使えないか
ネコヤナギは生育も早い、収穫しやすい
*渋柿から柿渋をとる
*製品に限らず繊維素材として販売する ネコヤナギ、ウリハダカエデ
*商品タグやパッケージ、ブランドストーリーが必要
*販路の提案
TDAのできる支援
サンガ岩手の手づくりプロジェクトはまだスタートしたばかりで,現在、懸命にどうすすむべきかを模索されている状況です。みんなに仕事をつくりたい気持ちと、製品作りを急ぐあまり、希望が多すぎて関わるのは難しい面もがあります。つながりと手作りを楽しむ人達を尊重しつつ、全体の制作物のレベルアップを目指さなければならないと思います。手づくり品は多種多様(鮭のオーナメント、フクロウ、チョッキ、バッグ、帽子,ガンバル象などなど)で手作りマーケットのイメージです。
プロジェクトに来ておられるおばあちゃんが、鮭のオーナメントがつくりたい。鮭は元の所に帰ってくるので、私たちも元住んでいた所に帰りたいので願いを込めて作っていると話しておれました。この話にはストーリー性があり、サンガ岩手の手づくり品の中で企画していけると思いました。近くにある高校生にフレッシュでモダンなアイデアを募集し、ストラップ等若い人向けた製品になると考えました。販売や企画でTDAが関われるのではないかと思います。
もう一つの線としてこの地独特の物を企画することに関しては、まだまだ計画のスタート地点であり、企画をつめ、調査も必要です。今後TDAが関われることも多々出てくるとは思いますが、斎藤洋氏、山崎輝樹氏中心に地元の動きや要求に、TDAとして柔軟に関わっていくことができれば良いと考えます。 |